「証」の基本

あなたはどの証?

漢方では、患者を一把ひとからげにみるのでなく、ひとりひとりにあった診察や処方をおこないます。そのために用いられるものさしが「証(しょう)」。体質や体力により、「陰証と陽証」「表証と裏証」「寒証と熱証」「気虚証・瘀血証・水毒証」などさまざまな証がありますが、なかでもよく使われるのが「虚証と実証」です。外見や体力をあらわすもので、証の基本となります。

虚証線が細く、顔色が悪いタイプ。いわゆる虚弱体質。
(特長)やせ型・筋肉質ではない・細面・声が小さい・胃腸が弱い・疲れやすい・抵抗力が弱い・お腹の弾力が弱い
実証スポーツ選手に多い。がっしりとした体格で、血色もよい。
(特長)がっちり体型・顔が四角張っている・声が大きい・胃腸が強い・便秘しやすい・抵抗力が強い・お腹に弾力がある

虚証が強くても、実証が強くても病気になりやすいので要注意。理想的なのは、どちらにもかたよらない、「中間証」です。もちろん、専門医に診てもらうのが一番ですが、自分でもある程度、チェックすることは可能です。さて、あなたの証はどれでしょうか。

虚証中間証実証
体型は…華奢である中肉中背である筋肉質でがっしりしている
声は…細くて小さい普通大きくしっかりしている
ちょっと動くと…すぐ疲れるどちらともいえないまったく疲れない
肌は…さめ肌で荒れやすい普通つやつやしており、血色がよい
元気は…あまりないどちらでもないありあまっている
胃腸は…弱いほう普通丈夫なほう
食欲は…あまりない普通いつもある
爪は…爪に筋や波がある普通ピンク色でなめらか
便秘をすると…大して気にならないなんともいえないつらい

あてはまる数が一番多かったものが、あなたの証。実証と中間証が同じ数なら、やや実証。虚証と中間証が同じ数の場合は、やや虚証となります。また、実証と虚証が同数であれば、中間証と考えましょう。