松田クリニック 松田 治己先生

漢方医

松田クリニック

松田 治己(まつだ はるみ)先生

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    現在の状況とは異なる場合があります。

こんにちは。うちでは漢方薬を、現代医学ではなかなか良くならない患者さんや、または、漢方の方がより効果的と思われる患者さんに使っています。
私の場合、学生時代、たまたま漢方に触れる機会がありまして、この分野を知ったわけですが、はじめた頃は漢方を上手く使えば、同じ病気であっても、より早く・より満足のいく治療ができるという思いがありました。ですが、いざやってみると、思いの外難しく、試行錯誤の連続でした。
実際、患者さんに合う薬を見つけるのは、なかなか難しいものがあります。症状にバッチリ合う薬を見つけたと思っても、思うように効果が出なかったりすると、自分が未熟なのか、薬が効きにくいのかと、常に悩みます。そんな中で、患者さんの状態がズバッと良くなると、とても嬉しいです。

そうです。学生時代、生薬のサークルに入って生薬の勉強をしていました。そのとき、たまたま私が風邪をひいて、自分で調合した漢方薬を飲んだら、それがバッチリ効いたんですね。漢方ってこんなに効果があるんだと、初めて実感しました。
その後も、腰椎椎間板ヘルニアの痛みが日に日に良くなっていったことなど、さまざまな経験をしました。古典的と言われ、一見非科学的と思われがちな漢方ですが、実際には臨床効果が十分にあるんだなと実感しました。
ですから卒業後、もっと多くの人に漢方の良さを知って欲しいという思いがあり、漢方医を志しました。

ハハ!!漢方を使って、時にびっくりするような効果を実感することがあります。それを知ると、漢方を処方する我々も、使う患者さんも嬉しくなりますね。そういう感動の場面を、日々の診療の中で、数多く作らなければいけないと思っているのです。
しかし、そうは言っても、漢方はやはり難しくて、懸命に処方しても、なかなか思い通りの効果が得られなかったりします。ですから、文献や学術書、諸先生方の口訣などを学んで、日々の治療に活かしています。
具体的な漢方のびっくり話を一つ(私のびっくりです)。ある喘息の患者さんの場合です。
一般的な治療法で、咳発作のコントロールできない方がいました。これまでに十分量の吸入ステロイド薬、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、咳止めなどが使われていましたが、昼夜を問わず咳が続き、疲れ果ててうちに来ました。通常ですと薬の量と種類を増やすしかないのですが、ある漢方煎剤を作って飲んでいただいたところ、まず夜間の咳が止まり眠れるようになり、続いて日中の咳も改善・消失して仕事に復帰できるようになりました。
他にも、7年間も続いた空咳が、漢方煎じ薬を1週間飲んだだけで、全く止まってしまった方がいました(私がびっくり)。また、床から起きあがると、めまいが現れるため、寝たり起きたりの生活を続けていたご高齢の方に漢方を使って頂いたところ、月毎に症状が改善して、今では一人で電車に乗り、県外に遊びに出かけてこられるまでになっています。
このように、いろいろと漢方のびっくり効果はありますが…「なぜ効いたのか?」となると、現代科学をもってしても、全てにおいて解明され得る訳ではありません。漢方を上手に使うには、まだまだ、従来の古典的な手法を使って診断する必要があります。

漢方は、もともと数値(デジタル)的な発想から出たものではないのです。アナログ的なものです。
例えば、二元論的に、「虚・実」「陰・陽」という対極的にある部分を設定しますが、それぞれは独立した二点ではなく、二点を結ぶ直線によってつながれ、現時点が、直線上のどの辺に当たるのかという考え方をします。ですから、ひとつひとつの数値を見るというものではなく、どのあたりでバランスしているのかを見ています。発想自体が違うのですね。
どの値を見て選べば「効く」、この値では「効かない」と 、数値化するのは難しいかも知れません。

明治政府が、日本の医学として採用したのが西洋医学です。当時は富国強兵の時代ですので、慢性疾患の薬物治療より、外科治療を中心とした西洋医学を必要としたのでしょう。その後、昭和に至るまで、政策的に認められなかったという背景もあり、漢方は日本の医学として認知されなかった時代が続きます。
しかし、一般庶民のあいだでは、その生活の中に漢方薬が生き続けてきましたし、漢方の火を保ち続け、伝え発展させてきた先生方がいらっしゃいました。そして、昭和51年に、漢方が保険適用になってからは、多くの先生方が治療のツールとし使えるようになりました。今こうして漢方薬が使えるのは、こうした方々と支えた人々のお陰だと思います。
一方、アメリカでは、漢方をはじめいろいろな伝統治療が研究されているようですね。ある調査で、漢方治療やハーブ治療、鍼灸など伝統医学を治療に取り入れている人の多くは、知識者階級であったという結果がみられたそうです。民間から上がってきた物事に対して、大切に考える体制ができているのではないかと思います。この辺が、日本とはちょっと事情が違うようです。

最近は、以前に比べると漢方を志される学生さんや先生方にとって、ずいぶん環境が整ってきたのではないでしょうか。大学などで学ぶ機会が増えてきています。
でも、漢方治療をより確実にするためには、地道に臨床効果を積み上げていくことが大切だと思います。薬の効き目に100%はありませんが、地道に努力し、臨床的に効果を5割とか6割とか上げていくことに意義があると思います。

う~ん…これといって特別なことはしていないのですが、規則正しい生活を心がけています。
と言っても、実際はなかなか難しいのですが…運動が特に不足になりがちですね。ですから、ちょっとした距離は歩くようにしていますし、エスカレーターを使わずに、階段を使うようにしています。患者さんには、食事・睡眠・運動を指導しているのですが…自分のことになると、なかなか難しいですね。
それから、食事には気をつけ、量(カロリー)をとり過ぎないようにしています。

そうですね、一般的に動物性蛋白や脂質よりも、魚・野菜中心の日本食に基づいた食事の方が良いと言われていますし、報告もされていますね。私も食事の時は意識して、野菜を多めにとるようにしています。
運動にしても食事にしても、大切なのは、無理やり型にはめても長続きはしないので、その人の性格や生活スタイルに合ったやりかたで、少しずつ始めてみることだと思います。

今はあまりやる機会がありませんが、以前山の方に赴任していた時は、冬はスキーをやりました。
学生時代はテニスをやっていましたし、海も近かったので、潜ったり、釣りをしたりしていました。

そんな大げさなものではなく…「素潜り」です。

医療サイドの人も患者さんも、お互いに納得する医療ですね。
治療は、患者さんとの共同作業だと思います。患者さんにも治療に参加して頂き、医者も最善を尽くして治療に当たる。治療は、主従関係であってはならないと思っています。
これから先、科学が進歩して病気がなくなれば別ですが、病気がなくならない限り、常に患者さんとコミュニケーションを取りながら、一緒になって最善の治療を模索して行くということではないでしょうか。

先生の略歴ご紹介

松田クリニック
松田 治己(まつだ はるみ)先生

1982年 富山医科薬科大学医学部卒業
同年 同大学和漢診療室入局
松戸市立病院(千葉県)
ゆきぐに大和総合病院(新潟県)
富山医科薬科大学医学部和漢診療学講座 助手・講師・助教授を歴任
2000年 富山県立中央病院和漢診療科科長を経て松田クリニック開院

2000年より、漢方研修指定医療機関・日本東洋医学会
漢方専門医

 

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