神戸百年記念病院 堀江 延和先生

漢方医

神戸百年記念病院

堀江 延和(ほりえ のぶかず)先生

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当院は1907年、鐘淵紡績(後のカネボウ)の従業員のための診療所として発足、戦後、地域住民に開放され地域社会への医療活動を行うようになりました。開院100周年を迎えた2007年には「神戸百年記念病院」と名称を改め、地域医療に貢献しています。

和漢診療科は1982年に開設され、当時は森雄材・伊藤良・桑木崇秀先生という漢方界では著名な先生方が交代で診療されておられました。1994年には富山医科薬科大学(現、富山大学)和漢診療学講座の指導の下に本格的な取り組みが始まり、常勤医として診察を行うようになりました。現在は、煎じ薬まで処方できる全国でも稀な漢方専門診療科であり、患者は関西圏に限らず広域から受診されています。

専門は小児科ですが、内科・産婦人科・皮膚科など広い範囲の分野の患者が受診されています。婦人科疾患では更年期障害、月経前症候群など、内科疾患では脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の補助療法として、皮膚科疾患では、アトピー性皮膚炎に外用薬との併用で漢方治療を行っています。

最近では、ストレス社会の影響からか心の病気の方が増えているように思います。また、高齢者の受診も増えている傾向にあります。

かかりつけ医に自分の体調について充分に話せなかったり、疑問に思っていることを質問できずにいたりすることがよくあります。当科では、問診にじっくり時間をかけています。患者と一緒になって病気を治す、という姿勢で取り組んできます。来たときよりも元気になって帰って頂く、という気持ちで診察を行っています。

西洋医学と漢方の根本的な違いは病気に対する考え方にあります。前者は種々の検査で原因を探り病気の「部分」を治療します。後者は人体を「全体的」にとらえ病気は体のバランスのゆがみによって現れるものだと考えます。そして、ゆがんだバランスを正常に戻すことによって病気を治療します。すなわち、西洋医学では「病気の治療」、漢方は「病人の治療」を行う点が最も異なっています。

同じ病気でも個人差があり、同じ薬で全てに対応できる訳ではありません。胃腸の強弱、病気の軽重などで薬を変えることが出来るのが漢方薬のいいところだと思います。

「嘔吐下痢症で吐いている子供に五苓散(ごれいさん)を注腸*するといいよ」と名古屋の広瀬先生から教えていただき、さっそく試してみました。真っ青だった子供の顔色に赤味がさして元気になりました。15分後にはほとんどの子供は吐気が止まり水分を摂取出来るようになりました。それ以来、漢方のとりこになり、色々な勉強会にも参加して本格的に勉強を始めました。
* 注腸:漢方薬は経口摂取が原則ですが、吐気などでどうしても内服できない場合は、お湯で溶かしてお尻から薬を入れる方法があります。

認知症の女性、尿回数が極端に増えたため泌尿器科で治療を受けましたが改善しませんでした。漢方治療を希望されて当科を受診。一日中廊下を徘徊、トイレの前を通るたびにトイレに入って排尿する動作を繰り返す状態で、日中の尿回数は60~70回にものぼりました。猪苓湯(ちょれいとう)を服用後、約3週間で尿回数が20回まで劇的に減少。母親の介護が楽になったと息子さんに喜ばれました。

健康法と趣味は同じですが、歩く、ランニング、山登りなど体を動かすことを積極的に行っています。運動することがストレス解消になっていると思います。仕事で嫌なことがあっても、走ったら気持ちがスッキリします。運動を勧めるためには、先ず自分が運動しなければなりません。自信を持って体を動かす事のメリットをお話しできるようにしたいと考えています。

当科では食事指導にも力を入れています。基本的には和食を勧めています。和食本来のあっさりした食事を少な目に頂くこと、それが健康のために必要だと考えています。こってりとした脂物や味の濃い物を出来るだけ控え、主食を少な目に食べるように指導しています。そして、一番気をつけたいのが間食を控えることだと考えています。

大切なことは薬漬けの医療を避けることです。実際、処方されている薬を全部飲めている人は高齢者ではそれほど多くないように思われます。服用している薬を止めたら元気になった、という笑えない話も時々お聞きします。漢方薬は併用することで、西洋薬減量のお手伝いが出来るのではないかと思います。

先生の略歴ご紹介

神戸百年記念病院
堀江 延和(ほりえ のぶかず)先生

昭和62年 岩手医科大学 医学部 卒業
昭和62年 和歌山県立医科大学 小児科
平成04年 那智勝浦町立温泉病院 小児科 医長
平成15年 富山医科大学(現富山大学)和漢診療学講
平成16年 紀南総合病院 小児科 副部長
平成17年 飯塚病院 漢方診療科
平成20年 神戸百年記念病院勤務
現在に至る

専門分野: 和漢診療科
認定資格: 日本東洋医学会専門医、指導医、日本小児科学会専門医

 

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