横浜市立みなと赤十字病院 新井 基洋先生

漢方医

横浜市立みなと赤十字病院

新井 基洋(あらい もとひろ)先生

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気にしないで下さい!なんでも聞いて下さい!

2005年の4月1日に来ましたので、今年で11年目になります。

耳鼻科におきまして、めまい専門の外来を診ていますが、新たに、今年の4月から、めまい平衡神経科という「めまい専門の科」を立ち上げまして、その科の部長として診療を継続していきます。

めまいの治療は、基本的に薬物での治療が基本ではありますが、ただ、一番新しいとされているお薬でも昭和52年の古いものしかございませんので、今、私が力を入れているのは、めまいのリハビリテーションと申しまして、平衡機能の訓練をすることによる治療を専門に行っております。当院には、全国からこの治療を受けに患者さんが来院しています。そんな中でも、やはり薬物での治療が基本になります。ですが、従来の薬物では限界もあります。そこで、西洋医学のお薬ではなく、保険適用もされていて、効果の高いお薬として、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)という漢方を使用し、リハビリ治療と併用してめまいの治療効果をあげています。1日3回服用するタイプのお薬もありますが、飲み忘れなどもありますので、私は1日朝晩の食前に飲む2回タイプの漢方を処方しております。

当院には、めまいが治らない患者さんが、何ヵ月かお待ち頂くような状況の中で、紹介状を持って全国から来院されます。他の病院では治らないと思われているような患者さんであっても、当院では十分治療の効果が期待できます。ですので、患者さんへ言葉をかけることによって安心感を与えることはもちろんですが、リハビリを実施することで、より目に見える、効果としての安心感に繋がるよう心がけています。

現代は高齢社会でもありますので、めまい外来ではありますが、半分くらいは、ふらつき外来でもあります。
実は……ふらつきについての効果的な薬剤がないのです。
ただですね……先ほどお話ししました半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)の天麻は、ふらつきに対する効果を見込める可能性が高いので、そういう意味では、西洋医学で対応できない場合には、とても役に立っております。

漢方ナビでの取材なのに、申し訳ないのですが、私は漢方の専門医ではありません。
私は、めまいの治療を専門にしておりますので、そこに軸足を置いた上で、治療法の手札を増やしていく必要がります。その手札のひとつとして、めまいやふらつきの患者さんを治療する上で、漢方を採り入れています。めまいの治療は、薬剤による治療がファーストチョイスです。ただ、どうしても西洋医学のお薬では、なかなか治せないふらつきという概念がございます。ですので、より、めまいやふらつきの治療効果を高めるために、めまいのリハビリと併用して漢方を有用に使用しております。

そうですね……劇的な効果といったこととは違うと思いますが、今までよりも体調がよい、といったようなことや、これが合うからやめないで欲しい、といったようなことをおっしゃる方は多いですね。

私は、お風呂が好きなのですね!大浴場やスパ、銭湯へ行くのが好きですが、そうは行く機会もありません。確かに……疲れはなかなか取れません。そんな中、漢方の良さに気が付いたのは、実は、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)が先ではないのです。補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という有名なお薬がありますが、それを自らに使ったのが先なのです。この薬は、実によく効きます。それまで私は、漢方に対して懐疑的だったのですが、この補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲み、自らその効果を実感することで、漢方についての考え方が変りました。自らの疲労回復のために漢方を使いましたが、そのことが患者さんへも漢方を使うきっかけになりました。

私は、過去に体を壊したことがありまして、それ以来、血圧を上げないように、カリウムの多いバナナを食べています。私は甘党なものですから……とはいえ過剰に甘いものを食べるわけにはいきません。ですので、適度に甘いものを食べながらカリウムを摂り込んで、ナトリウムを排出し血圧を下げるよう、バナナをよく食べています。それから塩分を控えるために、しょっぱいものは食べないように心がけています。ラーメンのスープやドレッシング、お醤油なども控えるようにしています。

特に女性の方に多いのですが、50歳を過ぎて更年期の女性は、女性ホルモンが減ります。そうしますと、血圧が確実に上がってきます。若いときに低血圧気味だった方でも、中年期以降は、確実に血圧が上がってきます。ですが、高齢になっても血圧が低いままだと錯覚している方を多く見受けます。これはとても危険なことで、男性が言われがちですが、女性の脳出血などSTROKEに対しての注意も必要です。
食事についてですが、日本人の食生活においての和食は、健康によいとされていますが、実は塩分が多いのです。味噌汁一杯で、塩分が1~1.5グラム含まれているといわれています。日本人の女性に、国が推奨している1日に必要な塩分摂取量は、7~8グラムほどだと思います。そうしますと、味噌汁を3回飲むと、4~4.5グラムを摂取してしまうことになります。味噌汁だけで、1日に必要な摂取量の半分以上の量に達してしまいます。ですので、味噌汁は1日一杯にしたり、ドレッシングはかけない、お醤油は減塩醤油が基本ではありますが……できましたら、食材そのものの味を楽しむためにも、できるだけ、これらの調味料を減らしていくことを習慣にすると、血圧が下がっていくと思います。

私は漢方を使って治療をしてはいますが、漢方の専門医ではありません。
めまいの専門医として漢方を使っています。そして、若いときには、そんな余裕はありませんでしたが、この年齢になって、医者になってよかったなぁ~と、心から思えるようになりました。私の専門であります、めまいやふらつきの治療を通して、日本中の患者さんを治すことを、本気で思っております。これが、私のライフワークそのものです。
ただ……リハビリを採り入れためまいの治療は、とてもよい治療法なのですが、現在の日本では保険がきかないのです。米国では、ワンレッスン5~10万円ほどします。
それを、当院では無料で行っております。

日本では保険適用になっておりませんので、当院にて無料で行っているのですが……実は、この治療法はあまり知られておらず、普及しておりません。ですが、このめまいのリハビリという治療法は、本当によい治療法なのです!!……とはいえ、新しいめまいの治療薬が出てこないという状況の中で、このめまいリハビリという治療法を広めていくしかめまい、ふらつき改善の新たな手札はないのです。このリハビリと漢方を併用して、日本中のめまいやふらつきで寝たきりの患者さんを治した後は、できることならば、海外においても、この治療法を通して、めまいやふらつきでお困りの、できるだけ多くの方達を救うことで、私の医者としての人生を終えることができるならば本望であると、本気で、心からそう思っております。

先生の略歴ご紹介

横浜市立みなと赤十字病院
新井 基洋(あらい もとひろ)先生

1983年 北里大学医学部入学
1989年 北里大学医学部卒業 医師免許取得
 北里大学耳鼻咽喉科入局
1990年 国立相模原病院耳鼻咽喉科
1991年 北里大学耳鼻咽喉科
1994年 耳鼻咽喉科専門医取得
1995年 健常人OKAN(めまい研究)で医学博士号取得
 米国ニューヨークマウントサイナイ病院神経生理学短期留学
1996年 横浜赤十字病院赴任
2000年 同病院耳鼻咽喉科副部長 めまい平衡医学会専門会員、評議員
2004年 同病院耳鼻咽喉科部長
2005年~横浜市立みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科部長
2013年 めまい平衡医学会代議員
2016年 横浜市立みなと赤十字病院 めまい平衡神経科部長

 

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