野本真由美スキンケアクリニック 野本 真由美先生

漢方医

野本真由美スキンケアクリニック

野本 真由美(のもと まゆみ)先生

  • ※全ての情報は掲載時のものです。
    現在の状況とは異なる場合があります。

私は皮膚科専門医ですが、漢方専門医でもあるので、皮膚疾患だけでなく、倦怠感や冷え性、便秘症などの慢性症状から、発熱や咽頭痛などの急性症状まで、さまざまな疾患を診ています。
近年、漢方薬は美容領域や抗加齢領域で非常に注目が集まっています。強い抗酸化力があり、腸内の免疫復活作用によって高い免疫が保てるということが、科学的に示されるようになってきたからです。当院では、病気ではなくても不調がある、いわゆる「未病」の人に、漢方薬を積極的に処方しています。
また、「皮膚科に行ってもなかなか改善しない」とおっしゃる皮膚疾患の人には、皮膚以外の原因を探るようにしています。たとえば胃腸に効果のある漢方薬を処方して、皮膚の状態が改善する人や、月経のトラブルを改善して、ニキビが改善する人は多いと感じます。漢方薬には自律神経や内分泌、免疫を整える作用があるので、皮膚と同時に皮膚以外の不調が改善されることも多く、喜ばれます。

「皮膚は全身を映す鏡である」という言葉があります。皆さんも、体調不良のときには顔色が悪くなったり、食事の栄養が偏ると肌が荒れるという経験があるのではないでしょうか。
皮膚は、肝臓や心臓といった臓器と違って外から見えますので、不調のサインを外から見て受け止めることができるのです。皮膚を診て、全身の状態を改善できるのが、漢方薬の魅力の一つだと思います。「皮膚科は、予防医学を実践しやすい科です。」と、よく講演ではお話しています。肝臓に腫瘍ができて腫れてきても、なかなかわからない・・・心臓の色が悪くなっても誰も気づかない・・・でも、皮膚は赤くなったり黒くなれば気がつきますので、そのサインを受け止めて病気を予防することができるのです。

 

当院は、自由診療が主体のクリニックですので、一般の保険診療では改善が難しい人を診察する機会も多いです。

私ですか?そうですね・・・「中庸」を心がけています。
中庸とは、丁度よいバランスを取るということですが、これは「人によって」異なります。例えば食事の量にしても、睡眠時間にしても、自分の中でどのくらいが丁度よいのか考えて、体調を管理しています。漢方医学は、個人の中庸を保つことを大切にしているので、私自身もそれを実践するように心がけています。
抗加齢医学的にいいますと、生活習慣で大切なことは、(1)食事 (2)運動 (3)睡眠 (4)ごきげん(心)、この4つです。この4つを、その人に一番適した状態で、毎日丁寧に繰り返すことが健康維持に大切だと考えます。日本は世界的にみて長寿の国ですが、一方で、男性では亡くなる前の9年、女性では12年を、人のお世話になって生活しているという残念な統計があります。人のお世話にならないで自律した生活ができる期間を健康寿命といいますが、抗加齢医学(アンチエイジング医学)は医療が介入することによって、健康寿命を延長することを目指した医学です。東洋医学的には、健康のために「養生」が必要だとされていますが、これも毎日の繰り返しの大切さを説くものであり、考え方は同じだと思います。
西洋医学も東洋医学も目指すものは同じですが、アプローチが少し異なります。西洋医学的側面だけでとらえると、「足す美学」、これを飲めばもっと良くなると考えがちになるので、「気がつくとサプリメントをたくさん飲んでいる」という人も多いと思います。また、病気や老化の7割以上が関係する活性酸素・フリーラジカルは体を酸化させてしまうので、低ければ低いほど体に良いと思ってしまうのですが、活性酸素がないと体は病原菌と闘うことができなくなります。いいものは足すほどよく、よくないものは減らすほどよい、と一概には言えないのです。ここでもちょうどよいバランスを保つ「中庸」の考えが必要だと思います。
東洋医学では、足すことも引くことも同じくらい大切なことであると考え、その人の丁度よいバランスを目指していきます。東洋医学では足すことと引くことを、「補(ほ)」と「捨(しゃ)」という言葉で表現します。「補う」ことと「捨てる」ことはどちらも同じくらい大切だと考えます。ただ、そのどちらも必要なときには、まずは「捨(しゃ)」を優先するようにと古典に記載されています。
例えば、「いくら寝ても疲れが取れない」といった場合がありますね。寝るというのは、「気を補う」ことですが・・・このような方が、補中益気湯という気を補う効果のある漢方薬を飲んでも、全く疲れが取れない場合があります。それは、補中益気湯という漢方薬が効かないのではなくて、治療方法が間違っているのです。補っても良くならない人が、さらに補う治療をして良くなっていないだけです。このような人の話をよく聞いてみますと・・・運動をしていませんし、汗をかくようなことをしていないのですね。つまり、汗や尿や便というのは捨てる、「捨(しゃ)」にあたりますが、部屋でじっとしていて、スマホばかり見て、寝てばかりいるような生活をしている方には、疲れに対して「捨(しゃ)」が必要だということです。捨てることでバランスを保っていくのです。
このように、その方にとっての「中庸」を考えるということは、私たちの先祖がずっとやってきたことでもあります。その丁度よい状態を自分で見つけることができないようなときには、ぜひ漢方専門医に相談して下さい。「食事・運動・睡眠・ごきげん」の、どの部分の改善が必要かについても考慮しながら、どうしたら自らの治る力を高められるか、ということを考えていきます。これが昔からいう「自然治癒力」ということなのです。

漢方薬の治療といっても、食事を主体とした「養生」の指導が大切で、漢方薬の役割は半分ぐらいです。寝ないで働いている人が、漢方薬を使ったとしても、体が必要としているのは「休養」ですから、効果はあまり期待できません。

養生は食生活が最も大切だと思いますが、どの食事内容がベストかはやはり人によって少し違いがあります。胃腸の状態によっては、いくら野菜を多く摂っても、吸収されにくい場合がありますし、健康によいとされる食べ物でもその人の体に合っていない食べ物であれば逆効果です。まずは消化吸収する胃腸の状態の確認をして、結果として体に取り込まれた栄養素を判断できる血液検査で栄養状態を確認しています。
そうしますと、例えば疲れの原因が低蛋白によるものなのか、鉄不足によるものなのかを血液データで判断することができるので、適正な食事の指導を行うことができます。全員が同じように「これを飲めば疲れが取れる」というものではありませんから、ここでもその方の中庸を目指すようにします。
皮膚を美しく保つためには蛋白質が必要なのですが、多くの方は蛋白質が不足して、炭水化物に偏った食生活をしているので、現代の食事は「カロリー過多の栄養不良」になりがちです。だからといって、胃腸が弱い方に高蛋白の食事を与えると、胃がもたれることになりますし、腎臓が悪い人への高蛋白食は禁忌です。全ての方に、「高蛋白な食事を摂れば肌がよくなる」とは言えないのが現状です。

また、同じものを偏食して食べ続けると、消化管で慢性炎症を起こす可能性があり、西洋医学では改善するのが難しい慢性疾患や不調の原因のひとつになることが知られています。日本人がよく口にする約100種類の食べ物に対する抗体を調べる血液検査で、遅延型フードアレルギー検査といいます(保険適用外)。
日本人の場合、洋食に含まれることの多い小麦・牛乳・卵に反応が出る方が多いです。ところが日本人は、毎日食べている米には消化管の炎症がほとんど出ません。消化管の反応は人種による影響があるのだと思います。ですので、食事のバランスは十分考えていますという人の場合でも、「その人に適しているのか?」といった視点をもつことも大切です。女性は特に、同じものばかり食べつづける、いわゆる「ばっかり食べ」をしやすい傾向があるのですが、同じものばかりを食べ続けると、遅延型フードアレルギーになりやすくなります。実際、間食にはアーモンドがよいと聞いて半年くらいそればかり食べていたら、初診時には低値だったアーモンドの抗体値がかなり上がってしまった人が何人もいます。昔から、親に「いろんなものをバランスよく食べなさい」と言われて育った人が多いと思いますが、医学的にもまさにそれがよいということです。
私はよく外来で、「普段の食事がレギュラーガソリンで大切です。漢方薬はそれをハイオクガソリンにできる可能性があります。」とお話するのですが、これは普段の食事が改善されていない状態では、いくら漢方薬を飲んでも効果は期待できないという意味でもあります。普段の食生活の質を見直して、患者さんの「治る力」をサポートするのが私の役割だと思います。
日本人は真面目な方が多く、ただ薬をもらって治してもらうという人よりも、よくなるために積極的に自分ができることをするという「参戦型の医療」に取り組まれる人が多いと思います。私は、医師と患者は常に共同作業で治療に取り組んでいるという意識を持っているので、患者さんが自分の毎日の繰り返しを見直すことに気がつくと、治療がスムーズにいくことを感じますし、最終的には薬が不要になることを目指しています。

私は美容皮膚科・抗加齢医学・漢方医学の三本柱で仕事をしていますが、ひと言で何をしたいのかというと、「病気を予防したい」のです。介護認定の仕事もやらせて頂いていますが、将来、人のお世話にならないように人生を楽しく全うするには、今、私たちに何ができるのかということを考えさせられます。
美容皮膚科は、命の危機が迫っている人の「前の世代の人」が来ていますが、その世代の人が肌がきれいになったり体調がよくなったりすると、家族や友人に「どうしてよくなったの?」と聞かれますよね。家庭の食卓を預かるお母さんやお婆ちゃんに、娘が「先生から、こんな食事の話を聞いてきたよ!」と、私がさせていただいた話をしたとします。そうしますと、大好きな孫から話を聞いたお婆ちゃんは、それをきちんと実行できるのです。実際に症状が改善した人の話は、たまにしか会わない医師の話よりも心に残ります。私のところへ直接お婆ちゃんが来ることはなかったとしても、こういう形で予防医学が伝わっていくといいなあと思っています。 私の患者さんには、「お守りください」といって漢方薬の処方を受けにいらっしゃる方も多いですが、漢方薬が自分を守る存在であることを感じでいるからではないかと思います。
患者さんにずっと寄り添うお守りであってほしいと、心から願っています。

先生の略歴ご紹介

野本真由美スキンケアクリニック
野本 真由美(のもと まゆみ)先生

略歴:
1998年3月 信州大学医学部卒業
1998年4月 新潟大学医学部付属病院皮膚科勤務
2006年3月 同退職
2006年4月 美容皮膚科の勉強のため、米国留学
2007年6月 野本真由美スキンケアクリニック開院

専門医:
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本東洋医学会認定 漢方専門医

所属学会:
日本皮膚科学会/日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会/日本美容皮膚科学会/日本香粧品学会/日本東洋医学会/日本抗加齢医学会/日本抗加齢美容医療学会 理事/米国皮膚科学会(AAD)

その他:
新潟美容・アンチエイジング研究会 会長/日本痤瘡研究会

 

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