金沢大学附属病院 小川 恵子先生

漢方医

金沢大学附属病院

小川 恵子(おがわ けいこ)先生

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そうなんです。戦時中の空襲の被害を免れましたから、歴史的な建物や趣が今もなお残っているんですね。

漢方医学と西洋医学は相反するものではなく、患者さんを中心として和諧して行くものだという想いもあり、金沢大学附属病院には、漢方を専門とする外来がなかったため開設に至りました。

耳鼻咽喉科の中に外来があるので、鼻炎、咽喉不快感、味覚異常などの耳鼻咽喉科関連の患者さんが多いですが、対象は乳児から高齢者まで老若男女を問いませんし、疾患も問いません。
西洋医学的治療を受けても改善しない症状、西洋医学的には診断がつかないような症状、または、西洋医学的治療は効果的なのに治療の副作用でお困りの症状などがある方に、受診をおすすめします。例えば、虚弱体質によるさまざまな体の不調や体力低下、加齢にともなう種々の症状、冷え症、月経異常、がん治療に伴う副作用の軽減・防止、手術後の不調や体力低下の改善、自律神経失調症などの心身的疾患、などがあげられます。

漢方医学診断には慣れていらっしゃらない方が多いので、できるだけ簡単に患者さんの状態を説明するようにしています。また、副作用が起きないように細心の配慮をしています。

漢方は単に症状を抑えるのではなく、からだ全体のバランスを整えます。
日本の漢方治療の最大の特徴は、調剤用生薬は約200種、医療用漢方製剤は148方剤 が、健康保険で薬剤投与を受けられるという点です。その中で、医療用漢方製剤(エキス剤)は、品質・安全性が均一に管理され、服用も煎薬と比較して容易です。また、伝統的な煎じ薬も、よりきめ細かく患者さんの症状にあわせていくという点では重要な役割を担っています。

私は、外科医として臨床に従事していた時、患者さんの術後のいろいろな症状に漢方薬が大変有効であったのをきっかけに、漢方の勉強を始めました。治療はたいへん順調なのに、元の病気とは一見無関係な症状などで患者さんも主治医も困ってしまうこともあります。このような西洋医学的治療の結果と患者さんの自覚症状とのギャップを埋めていくことも漢方の大きな役割だと思います。

小児外科時代に、小児リンパ管腫という病気の治療が難しい場合があり、苦労した経験がありました。治療法としては薬物を注射して硬化させて腫瘤を小さくする療法と手術ぐらいで、当時漢方治療を適用しようとは夢にも考えませんでした。漢方専門医になってから、再び小児リンパ管腫の症例に遭遇しました。手術や薬物療法では治療できない症例でした。初めに越婢加朮湯、経過をみて黄耆建中湯を兼用したところ、9ヵ月後のMRIでリンパ管腫の縮小が確認できました。
その他にも、10年来の慢性頭痛が、呉茱萸湯エキスを1袋飲んだだけで、完全に消失したという奏効例、ずっと患者さんを悩ましていためまいが、半夏白朮天麻湯と苓桂朮甘湯を併用したら、1週間ですっかり改善したというような奏効例もあります。

本当は体を動かすことが好きなのですが、なかなか時間がとれないので、可能な限り歩くようにしています。また、空や木々を見るのが好きです。音楽もダンスも好きです。

好きな音楽を聴いて踊ると、スカッとしますよね!

甘いものや炭水化物などの糖質を制限しています。一般に、糖質は、間食などしやすいので、取りすぎてしまうことが多いです。取りすぎないように気をつけましょう。

心当たりがあるんですね?

漢方医学を専門にしていると、「漢方は本当に効くのか?」という質問をよく受けます。患者さんから聞かれる時には「私に効くんですか?」という意味ですし、医療従事者から聞かれる場合には、「(この疾患には)全体として効くのか?エビデンスはあるのか?」という意味だと考えられます。この質問に答えようと多くの先人が努力してきましたし、今も続けられています。大学病院という環境はこの質問に答えていくのに有利な条件を備えています。この2つの質問にきちんと答えたいと思っています。

先生の略歴ご紹介

金沢大学附属病院
小川 恵子(おがわ けいこ)先生

略歴:
平成9年3月 名古屋大学医学部卒業
平成13年4月 名古屋大学大学院医学研究科博士課程機能構築医学専攻入学
平成16年10月 名古屋大学大学院医学研究科博士課程機能構築医学専攻終了 機能構築医学 博士号取得
平成9年5月 名古屋第一赤十字病院にて研修開始
平成11年4月 名古屋第一赤十字病院にて常勤医
平成14年4月 名古屋大学医学部小児外科 非常勤医
平成16年4月 名古屋第二赤十字病院にて常勤医
平成17年4月 あいち小児保健医療総合センター 医長
平成18年4月 あきば伝統医学クリニック 常勤医
平成19年4月 千葉大学医学部附属病院和漢診療科 医員
平成23年4月 金沢大学附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 和漢診療外来特任准教授
現在に至る

資格:
日本外科学会専門医
日本小児外科学会専門医
日本東洋医学会専門医

 

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