今回漢方ナビでは、特別企画として3人の先生をお迎えし、先生方が日々漢方を深めていく努力として、どのように研鑽されているのか等々、大変貴重なお話を伺いました。 常に勉強し続けている先生方の対談ですので、少し専門的なところもありますが、これまで私も、それなりに??取材を通して学んできましたので、なんとかつ いて行きたいと思います。今回ご登場頂きました向井先生は、第4回の取材でお世話になった先生です。これから、先生方の対談が始まります。
例 えば、六味地黄丸(ろくみじおうがん)と八味地黄丸(はちみじおうがん)といった漢方薬は、臨床では西洋医学の高血圧症・糖尿病・慢性肝炎・慢性胃炎・自 律神経失調症・前立腺肥大症・喘息・小児発育不良・老年病・慢性咽頭炎・難聴・免疫疾患・癌などに広く処方されています。しかし六味地黄丸と八味地黄丸 は、これら疾患のすべての段階に有効というわけではありません。 では、これら処方はいつ使用できるのか? それは証によって決めるのです。 腰膝がだるく、無力・めまい・耳鳴り・寝汗・手のはら、足の裏にほてり・歯の動揺・舌が赤い・苔が少ない・脈細数などがあれば、「腎陰不足証」と診断し、六味地黄丸を投与します。 また、腰膝がだるく、無力・腰痛・冷え・浮腫・夜尿が多い、或いは尿量が減少・排尿困難・舌が淡胖(たんはん)・苔が白・脈沈無力などの症状が現われば、「腎陽不足証」を診断し、八味地黄丸を投与します。 東洋医学ではこのように疾病のStage(証)によって処方が違うのです。 このStage(証)の段階を診ることによって、病気の重大さがわかります。 以上、西洋医学の「弁病論治」と東洋医学の「弁証論治」についてお話してきましたが、わかりましたか?西洋医学の先生方からは、とても難しい理論だとよく言われます。
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