防已黄耆湯
(ぼういおうぎとう)

特徴

肥満や汗っかきで疲れやすい方向けの漢方薬「防已黄耆湯」

漢方では、飲食物から「気」「血(けつ)」がつくられ、体のすみずみに運ばれて体を動かしていると考えます。一般に胃腸が弱い方では、飲食の過剰はなくても、体が処理しきれずに余るため肥満となります。そこで、「気」を補い、胃腸のはたらきを高めるとともに、余分な「水(すい)」の排出を促します。「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」は、消化吸収を助けながら、余分な「水(すい)」をとり除き、全身の機能を高める作用のある医薬品です。胃腸がきちんと機能することによって、体に必要なエネルギーをつくり出し、消費することができるようになります。また、余分な「水(すい)」を排泄することで、体をひきしめ、水太りやむくみ(浮腫)を改善することができるお薬です。
また、「防已黄耆湯」は一般的に多汗の方にも有効な医薬品です。多汗になる原因も肥満と同様で、体の水分バランスが乱れるために、体が発汗異常を起こしてしまう状態なのです。そのため、体の水分バランスを整えることで汗が抑えられます。また、ひざの痛みや関節の痛みの元も、体の水分バランスの乱れによるもの。このタイプの方は、もともと水分を体に溜め込みやすい体質なので、日頃から冷たいものを食べ過ぎたり、水分を摂り過ぎたりしないように注意して、水太りや関節のケアを意識しましょう。

漢方セラピー「漢方薬名解説」より引用

構成生薬と薬能

黄耆(オウギ) 大棗(タイソウ) 生姜(ショウキョウ) 防已(ボウイ) 甘草(カンゾウ) 白朮(ビャクジュツ)

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