泡粒のようなニキビができていて、とても悩んでいます…

美肌の大敵「ニキビ」の悩みを解消する漢方薬

じっと鏡を見つめては、顔にできてしまった赤い発疹「ニキビ」に落ち込み、くよくよと悩んだ経験をお持ちの方も多いでしょう。今回はニキビに効果的な漢方薬のお話です。

Qニキビといっても、いろいろなタイプがありますが、適した漢方薬は?

高校2年生の妹が顔中に泡粒のようなニキビができていて、とても悩んでいます。さらにサラリーマンの兄は、宴会の翌日になると胸や背中にニキビができると嘆いています。ひと口にニキビといっても、いろいろなタイプがあるのですか?

A熱が原因で起こるニキビには『荊芥連翹湯』、摂取過多には『防風通聖散』

ニキビは、性ホルモンの分泌が活発になる思春期特有のものと思われていますが、現代人は昔に比べてホルモンの活動が盛んな時期が長くなったことに加え、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどいくつかの原因が重なって、20~30代になってもニキビに悩む人が増えているようです。

妹さんの場合は、熱が原因で起こるニキビで、若い時期によくみられる症状です。治療には熱の勢いを抑え、皮膚の炎症を鎮める 荊芥連翹湯 が適しています。
一方、お兄さんのようなニキビは脂っこいものや甘いもの、アルコールの摂取過多によって起こります。治療には過剰な食欲や皮膚の炎症を抑える 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) がお勧めです。

漢方メモ

漢方とは

昨今は環境や食生活の変化で、複雑な病気を生み出している一面があります。一般に現代医療では、検査などで病名が確定した後に治療が施されています。これに対して漢方薬はまだ病気にまでは至らない半健康な状態(未病)の時にも治療することができる薬です。未病の時に体が発するシグナルに個々に対応し、きめ細かな治療を施すオーダーメイド的考えが漢方なのです。

漢方薬とは天然物である生薬(薬草の根や茎、葉などの有用部分を乾燥させたものや動物由来のもの、鉱物など)を2種類以上組み合わせた薬。生姜(ショウキョウ)、シソ、ニッキといった身近な食材の延長が多く、ナチュラル志向の現代の中で、安全性の高い薬として注目を集めています。

漢方は中国から伝わったもので、医食同源、薬食同源という言葉は漢方から発したもの。漢方薬には、症状の原因と同時に体質を改善していく効果もあり、体質強化や予防にも高い効果を発揮すると考えられています。