子どもの受験を控え眠れません…

不眠、不安…「心の病」を和らげる漢方療法

“五月病”という言葉をよく耳にしますが、これは環境に馴染めない、人間関係がうまくいかないなど、新入生や新入社員にしばしば現れる神経症的な症状です。漢方処方で「心の病」を乗り切りましょう。

Q子どもの受験を控え眠れません

同期の友人たちは、近頃イライラする、緊張して動悸がする、眠れないなどと訴えています。これらもやはり五月病ですか?

A“イライラ型”“ドキドキ型”には『加味逍遥散』『柴胡加竜骨牡蛎湯』

はい、五月病の一種です。“イライラ型”は、礼儀正しく仕事もテキパキとこなすのですが、自分の感情を抑制しストレスをため込んでしまうタイプで、自分の思うようにならないとイライラする、カーッとする、目が充血して顔がほてる、気が高ぶって眠れないなど、イライラ感が強く現れます。こんな時には 加味逍遙散(かみしょうようさん) が適しています。
また、緊張することが多い、疲れやすく動悸がする、漠然とした不安があり夜も眠れないといった“ドキドキ型”は、五月病で最も多い症状です。

いわゆる「あがり症」が昂じると現れやすく、こうした症状には、 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) がお勧めです。この薬は天然のカルシウム配合で、緊張からくる精神の興奮を鎮める作用がありますから、漢方の精神安定剤として幅広くお使いいただけます。

漢方メモ

デリケートな病気に適した漢方

快食、快眠、快便という言葉があるように、夜ぐっすり眠れることは健康の基本です。しかし、寝つきが悪く眠れない、途中で何度も目が覚める、早く目が覚めてその後眠れなくなる、といった不眠症に悩まされる人が最近は増えているといわれています。こうした不眠を起こす原因には、外部環境の変化や睡眠時の状況、病気などの身体的原因、薬物による原因や中毒、年齢的な原因などがあげられます。

不眠の原因がはっきりしている時は、それに応じた対策がとられますが、大部分の不眠症は不安感や神経症などに起因するもので、治療は意外に厄介です。こうした「心」の領域に適しているのが漢方薬です。 不眠の漢方治療の特長はぐっすり眠れること。そして最終的には、薬に頼らなくても眠れることを目指します。
漢方薬で疲れやストレスによる不眠、不安を解消し、心身ともに健康で快適な生活を送りましょう。