ニキビによい漢方薬Q&A

美肌の大敵「ニキビ」の悩みを解消する漢方薬
じっと鏡を見つめては、顔にできてしまった赤い発疹「ニキビ」に落ち込み、くよくよと悩んだ経験をお持ちの方も多いでしょう。今回はニキビに効果的な漢方薬のお話です。
Q:01
Q:生理前になるとニキビが一段とひどくなり、生理痛も辛くなります
生理前になるとニキビが一段とひどくなり、生理痛も辛くなります。
毎月、生理前になるとニキビが一段とひどくなり、生理痛も辛くて憂鬱な気分になります。一般的に漢方薬は体にやさしく、穏やかに作用するといわれていますが、何か良いお薬はありますか?

A:“生理トラブル型”“思春期型”、“飲み過ぎ・食べ過ぎ型”タイプに
多くの人が経験することとはいえ、ニキビはやはり女性にとって悩みの種。美容面でのハンディだけでなく、精神的なダメージも引き起こしますから、適切な漢方薬で早めに治療したいものです。

漢方ではニキビは体の中で発生した余分な『熱』が皮膚に影響を与えることが一因と捉えています。体内のどこに『熱』があるかを判断し、余分な熱を取り除いたり、新たに熱が発生しないように体内のバランスを整えることに重点をおいた治療が漢方療法です。

さて、お悩みのように生理前になるとニキビが出やすくなる人は少なくないようです。普段からニキビに悩んでいる人が、生理の時期になるとさらにひどくなる、といったケースです。
こうした女性はニキビがひどくなるだけでなく『血(栄養物質)』の循環に障害を起こしていることが多く、生理痛や生理不順に悩まされがちです。ご質問のように生理のトラブルを伴うニキビには『桂枝茯苓丸』が適しています。この漢方薬は体の中の血行をよくする働きがあり、ニキビを治すとともに辛い生理痛にも効果的です。

Q:02
Q:ニキビといっても、いろいろなタイプがありますが、適した漢方薬は?
高校2年生の妹が顔中に泡粒のようなニキビができていて、とても悩んでいます。さらにサラリーマンの兄は、宴会の翌日になると胸や背中にニキビができると嘆いています。ひと口にニキビといっても、いろいろなタイプがあるのですか?

A:熱が原因で起こるニキビには『荊芥連翹湯』、摂取過多には『防風通聖散』
ニキビは、性ホルモンの分泌が活発になる思春期特有のものと思われていますが、現代人は昔に比べてホルモンの活動が盛んな時期が長くなったことに加え、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどいくつかの原因が重なって、20〜30代になってもニキビに悩む人が増えているようです。

妹さんの場合は、熱が原因で起こるニキビで、若い時期によくみられる症状です。治療には熱の勢いを抑え、皮膚の炎症を鎮める『荊芥連翹湯』が適しています。
一方、お兄さんのようなニキビは脂っこいものや甘いもの、アルコールの摂取過多によって起こります。治療には過剰な食欲や皮膚の炎症を抑える『防風通聖散』がお勧めです。

Q:03
Q:『ヨクイニン』はお肌にとても良いそうですが、どんな漢方薬ですか?
『ヨクイニン』はお肌にとても良いそうですが、どんな漢方薬ですか?

A:美しい肌のための万能選手『ヨクイニン』
昔から肌トラブルの民間療法として広く用いられてきたのが『ヨクイニン(ハトムギ)』です。美しい肌を作る生薬として知られる『ヨクイニン』は、皮膚の新陳代謝を良くして老廃物を排泄する働きや排膿作用があり、ニキビを始め、肌荒れ、シミなどに効果があります。前出の漢方薬の効果をより高め、ニキビの醜い跡を残さないためにも、『ヨクイニン』の併用をお勧めします。


漢方ミニコーナー
*漢方とは*
昨今は環境や食生活の変化で、複雑な病気を生み出している一面があります。一般に現代医療では、検査などで病名が確定した後に治療が施されています。これに対して漢方薬はまだ病気にまでは至らない半健康な状態(未病)の時にも治療することができる薬です。未病の時に体が発するシグナルに個々に対応し、きめ細かな治療を施すオーダーメイド的考えが漢方なのです。

漢方薬とは天然物である生薬(薬草の根や茎、葉などの有用部分を乾燥させたものや動物由来のもの、鉱物など)を2種類以上組み合わせた薬。生姜、シソ、ニッキといった身近な食材の延長が多く、ナチュラル志向の現代の中で、安全性の高い薬として注目を集めています。

漢方は中国から伝わったもので、医食同源、薬食同源という言葉は漢方から発したもの。漢方薬には、症状の原因と同時に体質を改善していく効果もあり、体質強化や予防にも高い効果を発揮すると考えられています。

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